「残業なしがいい」でもいいじゃん! ―ライフスタイルの選択について―


絶賛就職活動中の後輩が、「バリバリ働きたくない」とともに言っていたことだが、


「できればずっと地元に居れて、残業はそれほどなく、土日が休みで、仕事以外の時間をしっかり確保できるような仕事に就きたい。仕事以外の時間でやりたいことしたいです」

さらにこう付け加えた。

「でも、友達が『バリバリ働きたい』、『アパレルで働きたい』、『やりたい仕事ができれば、残業も転勤も厭わない』などと言っているのを聞くと、なんだか自分がすごく意識の低い人間に思えてきて、落ち込んじゃうんです。友達は○○がしたい!と言っている一方、私は働きたくない!ですから・・・」


あー、まあわかる、何となくわかるよその気持ち。でも、「それでいいじゃない」とも言ってあげたい(実際言った)。

○○がしたい!じゃなくて、○○がしたくない!という就活もありでしょう

就職活動においては私の知る限り、「自分はなにがしたいのか?」・「自分は○○がしたい」といった問いかけや軸*1が重要視されているようだ。そういった問いかけからやりたいこと、やりたい仕事を選んでいく、という流れだ。しかしながら、id:dennou_kurageさんが「やりたいこと」ではなく、「やりたくないこと」を考える - 脱社畜ブログで書いているように、「自分はなにがしたくないのか?」「自分は○○がしたくない」という問いかけ・軸もありだ。「残業したくない」、「休日出勤したくない」、「転勤したくない」、「営業はしたくない」・・・etc...そして後者方が、自分に素直になれそうというのはid:dennnou_kurageさんの書いているとおりだ。

否定形の問いかけ・軸がいやなら、「定時に帰りたい!」、「平日5日しっかり働きたい!」、「地元で地に足着けて働きたい!」、「デスクワークバリバリこなしちゃいたい!」と言ってもいい。こういったことと「バリバリ働きたい!」、「○○業界で働きたい!」、「海外で働きたい!」といったいわゆる意識高い/立派な軸というか希望と、何が違うのか*2

「業界選択レベル」と「ライフスタイル選択レベル」

加えて業界にこだわりがなく、残業がないことにこだわっている(そしてそれに引け目を感じている)後輩に2割冗談8割本気で言ったのは、

「『○○業界で働きたい!』というのはあくまで業界選択のレベルで話をしているに過ぎない。『定時で帰りたい』、『土日は休みたい』、『地元で働きたい』というあなたは、今後の人生を考えている、つまりどういったライフスタイルを選択したいか、というレベルの話をしている。業界レベルで話をしている人に比べより大局的見地にたっているじゃないか」

ということだ。私も後輩も、おそらく短くない時間を仕事に費やすことになるが、そのなかでどのようなライフスタイルを選択したいのか、後輩の考え(や心配・不安)はまさにそこにある。それだけ自分の人生の行く末を真剣に考えているのだから、引け目なんて感じる必要ない。




後輩は苦笑いしていたが。

*1:「自己分析」の一要素だと思う

*2:違うと言えば違うのだろうが