英語教育の話

[アメリカ日記15] 「僕が英語話せないのは日本の教育のせい」の続き | taichino.com

ブログ主が続編を書いたと言うことで、そのエントリをたたき台にして、英語教育についてだらだらしゃべろうと思う(素材扱いしてすみません)。

別に文法が要らないとは言っていません。ただ他の国の人が日本人ほど正確に文法覚えてないけど、上手く話せているので、学習のバランスが悪いんじゃないのと言う事です。

これはおおむね同意。「日本の英語教育は読むこと重視してるから!」という人がいるが、圧倒的に発話するトレーニングが足りていないとは思う*1。それは会話ができるためとか以前に、文法項目を定着させるためにも必要なことだ。

曖昧な言葉ですが、日常会話くらいは学校でやってても良かったんじゃないのと思っています。例えば僕はアメリカに来て初めて、ネイティブはHow are you?に対してI’m fine(, thank you)って言わないんだと知りました。それって結構酷い話だと思います。実際に良く話されてる会話をシーン別で習う(英会話行くと良くやるやつ)くらいはやっても良いんじゃないのと思っています。

これもよく出る文句だ。I'm fineはおいとくとしても、「実際に良く話されてる会話をシーン別で習う(英会話行くと良くやるやつ)くらい」(強調kotaro)であれば、アメリカ行くまえにご自分でやってください。

ただし、教室内で習ったフレーズを広げるというか、実際にはどんな使われ方をしているのかについて知る機会・知識を適切に修正する機会が少ない、というのはあるかもしれない。

この表現微妙やなと思いながらも、使ってみて皆がポカんとしたり、言い直してくれたり、苦笑したりするのをみて、あぁ、これは違うのか的な。

第二言語環境に飛び込む利点。即座にフィードバックが帰ってきて、そして修正した言語形式を即座に検証する環境がある。がんばってください(←偉そう)。

あと日本の教育は悪くないって人も本気で言ってんの?って思いますね。義務教育で6年、大学行ってたら10年英語習ってるんですよ?

「義務教育で6年」じゃねーから、という定番の突っ込みは以下の書籍で。

英語教育熱 過熱心理を常識で冷ます

英語教育熱 過熱心理を常識で冷ます

あと、私は「日本の(英語?)教育は悪くない」とは言わないが、それほどひどいものだとも思ってない。改善の余地は山ほどあるとも同時に思うけど。

頑張って勉強してたら気がついたら英語ある程度話せるようになってたっていうそういうカリキュラムが作られてて然るべきだと思うんですよね。

作れたらいいなー。

さいごに

個人的に、日本の学校英語教育は「英語のシャワーを浴びせて自然に言語習得!」ではなく、「文法など形式をきちんと教え、身につける」型の指導をやっていくべきだと考えている。ただそれは文法(もどき)をこねくり回して、問題集くりかえしやって・・・というものではなく、形式と意味を理解し、そのマッピングが適切に行えるようになるまで(発話を含めて)トレーニングする、というかたちをとるべきだ。

どうも今回の話では文法か・会話か、という二分法が目に付いた。しかしこれは明確にわけるべきものではなく、日本のような英語環境が乏しい状況では、単語を並べる規則(文法)を、オンラインで発話できる程度までしっかりと身につける、という視点(宣言的知識を手続き的知識に)で、考えていくものだと思う。

*1:そして最近はこの課題に取り組む教員のかたが多いと聞く