国立大学入試のいわゆる「学力試験廃止」ニュースについて
結構話題になっている。
国公立大入試:2次の学力試験廃止 人物評価重視に- 毎日jp(毎日新聞)
教育再生実行会議のメンバーにディプロマミル問題がどうのこうのというのはあるが、とりあえず上記記事を元につっこみを。
- 学力試験廃止云々
本会議方針に対する反応で「学力試験廃止?!アホか!」みたいな反応があるが、それはちょっと早計だろう。
1次試験で大学入試センター試験を基にした新テストを創設。結果を点数グループでランク分けして学力水準の目安とする考えだ。2次試験からペーパー試験を廃し、面接など「人物評価」を重視する
というわけで、下村文科省も
「大学の判断だが(同会議では)2回もペーパーテストをしないで済むよう考えたい」「暗記・記憶中心の入試を2回も課す必要はない」
と言っている。学力試験が廃止されるわけではなく、いわゆる学力型試験は2回も必要ないだろう、ということだ。
ただし、個人的には「ペーパー試験を廃し」というのは賛同しかねる。1回ですむ新テストがどのような形を想定しているのかはわからないが、大学独自のより論述的なテストの必要性はあるだろう。
- 知識偏重云々
同会議は「知識偏重」と批判される現在の入試を見直し
そこから人物評価まで跳んじゃうのはなんでか、と。あえて知識偏重という言葉を使えば、現在の大学入試システムは、妥当性・信頼性・実行可能性という面から見て「知識偏重」がかなり最適な落としどころになっていると考えることができる。
- AO入試はどこ行った
同会議の改革原案では、各大学がアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)に基づき多面的・総合的に判断する入試を行うよう求めている
これがAO入試の目的だったんじゃないのか・・・。
人物評価、などと跳ばないで、AO入試の本旨を考えて既存制度の見直しをした方がよいと思う。
今出ている報道だけじゃ何ともいいにくいけど、2次試験ペーパーテストの全面廃止というよりは、一部定員を「人物評価」的な入試に振り分ける、というあたりがおとしどころか。