簡単な話じゃないか

「簡単な話じゃないか、なんでわからないかなぁああー」とクレームつける人がいて思い出した。

思考は、けっきょくのところ最後は「閃き」(飛躍)に行き着く。(中略)思考の本質はむしろ飛躍と自由にあり、そしてそれは論理の役目ではない。
論理は、むしろ閃きを得たあとに必要となる。閃きによって得た結論を、誰にでも納得できるように、そしてもはや閃きを必要としないような、できるかぎり飛躍のない形で、再構成しなければならない。なぜそのような結論に到達したのか。それをまだその結論に到達していない人に向かって説明しなければならないのである。
野矢茂樹、『論理トレーニング』pp,1-2 )

あなたのその飛躍と自由と、才能に満ちあふれたアタマでおこなった思考を、「誰にでも納得できるように」話してくれよ。誰もあなたの「閃き」を、共有などしてないのだ。

新版 論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)

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