【読んだ】びびらないためのテクニックを拝借/『督促OL 修行日記』
なんとか新卒入社した会社で配属されたのは「コールセンター」。それも、人気最低ナンバーワンのクレジットカードキャッシングの督促コールセンターだった。
「一時間で最低60本は電話して!」といきなり電話の前に座らされ、電話をかければお客さんに怒鳴られる。やめていく同僚、ぼろぼろになった肌・・・。それでも著者・N本は試行錯誤で「督促術」を身につけていく。
読みながら、著者と一緒に「ひいぃぃいぃい!」といってしまいそうになる。
- 作者: 榎本まみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/01/18
- メディア: Kindle版
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ちょっと前に読んだ人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)のなかで「「怒らない」を考えるための本」として紹介されていたものだが、どちらかというと「びびらない」を考えるための本だった気がする。
この本を読んで督促という仕事がどんなものかわかるか、といえば疑問だ。しかし、訳がわからない理不尽なクレームへの対応策や、人を動かすためのヒントはいくつか得ることができる。たとえばこんなものだ。
- 約束日時は相手にいわせる
「わかった、○○日までに振り込むよ」という台詞を相手にいわせるのだ。そうすることによって人間が行動する大きな同期のひとつ「罪悪感」を刺激することができる。自分で振り込むって言ったし・・・という気持ちをくすぐるのだ。
- 疑問を投げかける
キャッシングの督促で「入金されていません!」と詰め寄ると、「うるせー!わかってんだよ!!!!」となってしまう。そこで、「疑問を投げかける」のだ。「いつ返してくれる?」・「いくらなら返せる?」こうやって約束の日時や金額を相手に言わせることができる。
- 怒鳴られたら足に力を入れる
人間は怒鳴られると本能的にフリーズしてしまうらしい。それを防ぐためには足を思いっきりつねったり、足にグッと力を入れると、フリーズからの回復が早く、すぐに反撃に移れるそうな。著者の観察によると、クレームを起こしたり、電話相手に言い負かされるひとは足もとが落ち着いていないことが多いらしい。
- 悪口ノート
怒鳴られてけなされて・・・もういやだ!とならないための最終兵器。悪口を言われたらそれを書き留めておく。そしてそのノートが一杯になったら、すんごい贅沢をすると決めるのだ。
・・・真似できねえよ・・・。
とまあいろいろと学べることはある。
さくっと読めて、ちょっと仕事でも使ってみるかーというテクニックもちりばめられている。
仕事につかれた際に、いかがですか。