電子書籍と紙の本問題、再燃。そして未来の電子辞書、妄想

先日Amazonが新型Kindleを発表した。タブレット端末としてのKindle fireの新型もあるが、今回の発表で驚いたのは電子書籍リーダーのKindleが3種類発表されたことだ*1

3種類とは廉価版のKindle、従来からあるお馴染みKindle paperwhite、そしてハイエンドタイプのKindle voyageの3つだ。

Kindle Paperwhite - 最高の読書体験、そのための電子書籍リーダー

ざっと違いを見てみると、廉価版Kindleはバックライトがない、voyageは解像度の高さ、およびスワイプ不要のページめくり機能が特徴のようだ。




さて、私が現在所有しているKindle paperwhiteは調子がよくない。新しいKindleがでたら買い換えたいなあと思っていたところに今回の発表。では「やった!新しいKindleにするぞ!」と思ったかというと、そうでもないのだ。

というのも、いまのKindleの調子が悪いこと、新しいKindleがでたことで、電子書籍と紙の本の関係や自分にとって電子書籍と紙どちらがいいのかなど、いろいろ考えてしまったからだ。

電子書籍と紙の本問題、再燃

スワイプしてもページが送るまで数秒、たまにフリーズ、再起動。
これが私のKindle paperwhiteの状況だ。さっと取り出して、さっと読めるという手軽さがKindleの良さなのに、それが全然活かせていない。むしろストレスが溜まる。

では、新しいKindleに買い換える?
そう考えると、1万も出して新型Kindleを買うメリットはあるのか・・・と思ってしまう。



そもそも、私がKindleで読むのはどんな本だったかを考えてみたところ、

①お気に入りじゃない本(お気に入りにならなそうな本):お気に入りは手もとにおいて紙の本で読みたい
②読み返さなくていい(読み返さなくてよさそうな)本:読み返すには紙の本がいい
③精読しなくていい(と思った)本:精読するにはページを行ったり来たりするし、線引いたりコメント書きながら読みたいから紙で
④(いわゆる)軽い本:紙の本を買って家に置いておくまでもないかなーという本は電子書籍で
⑤英語の本:手軽に辞書引けるのがいい。あとアルファベットは小さいと読みづらいので文字サイズ返られるのも○

あたりだ。
Kindleを手に入れてから、確かに読書冊数は増えた。しかし考えてみると①、②、④あたりを大目に読んでいるから増えているだけなのかも知れない。そして①、②、④の本をたくさん読むために1万円出して新しいKindleを買う必要があるのかというと・・・うーん・・・と思う。


そもそも(二回目)、なんで私はKindle読書を①~⑤の本に限ってしまうのか。それは電子書籍のインタフェイスの問題=ページめくりが自由自在にできないからだ。

Kindleはそれ自体はよいアイテムだと思う。先でもいったように気軽に電子書籍を買えて、気軽に読める。部屋を本であふれさせることもないし、本が汚れることもない。

しかし、「ページめくり」の感覚が紙の本に近づかないと、(いまの私にとっては)電子書籍はあくまでサブ読書のツール以上にならない。「ちゃんとした読書」をする際には紙の本を選択してしまう。

そして、「ちゃんとした読書」じゃない読書をするためのツールとして1万円を出すのか・・・と思うと(お金があまりない私としては)、ためらっちゃうわけだ。現時点では、今持っているpaperwhiteをお風呂読書用としてのんびり使えばいいかなーと思っている。


ページペラペラできる電子書籍、求む!!

と、電子書籍(リーダー)に文句を言ってきたが、kindleが読書の可能性を広げてくれていることは確かなので、そういう意味では電子書籍には結構肯定的です、私。電車の中でさっと読める、移動の時すぐに、ちょっとだけでも読める、普段読まないような本、人前で買ったり読んだりするのがちょっと恥ずかしくなるような本(これとか)も安心して読める。

そうした読書体験をさせてくれるのは、電子書籍と電子書籍端末のいいところだ。


現時点でKindleはメイン読書にはならない。ただしメイン読書の隙間を埋める役割は十分に果たしてくれる。読書ライフはいつもがっつりしっかり読むメイン読書だけで成り立つわけではない。そういう意味では、多様で隙間ない読書ライフの構築に一役買ってくれている。



しかし、しかし!電子書籍(リーダー)でも、もうすこしメイン読書ができるようになってほしい。そのために必須なのは「ペラペラとページめくりができること」、これにつきる。


たとえばこんなのがほしい。
薄くてグニャグニャ曲げられるようなディスプレイを数百枚重ねた電子書籍端末を開発し、その端末に保存しておいた本を選択すると、その数百枚のディスプレイに本文が表示される・・・。そうすれば紙の本のように電子書籍を扱うことができる。


ワンタップで本が購入できて、辞書がすぐ引けて、何千冊も端末に保存できて、バックライトがついて、目に優しいE-inkで、しかもしかもペラペラページめくりができるなんて!ああすばらしい!私が生きている間に是非実現を!!!*2





Kindle - 気軽に始める電子書籍体験: Amazon.co.jp


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*1:ハイエンドタイプがでるというのは前々からいわれていたらしいが

*2:私が生きている間に実現されるのは、「紙の本」というコンセプトを超えた、まったく新しい読書体験かも知れないけど。それならそれで、見てみたいし使ってみたい。