若い世代は慣習大事?!-「生活定点」でおもしろかった項目
博報堂が公開している「生活定点」。
「生活定点」とはホームページによると、「同じ条件で設定した調査地域で、同じ状況の調査対象者を毎回新たに抽出。同じ質問を繰り返し投げ掛け、その回答の変化を定点観測している時系列調査」ということだ。
ホッテントリにあがっていることに気づきのぞいてみたら、あら大変。おもしろくってずーっと眺めてしまった。
そのなかでおもしろい調査項目と結果があったのでご紹介。
ブコメのなかに「このなかからおもしろい項目引っ張ってきて紹介するブログありそうだわー」(大意)というコメントがありましたが、はい!私が(も)やります!!
※「生活定点」調査に乗っかって書くわけだけれども、そもそも「生活定点」調査が、どのようなデザインとメソッドで行われているのかはホームページからはよくわからない(どこかに書かれているのかも知れないけど)。よってちゃんとした資料に本データを引くのはためらわれる。あくまで遊びとして、楽しみとしてデータを眺めるくらいがいいのかもしれない。
「慣習」大事?!
おもしろいとおもったのは「11 恋愛・結婚」カテゴリーにある、「No. 921 恋愛・結婚について、あなたにあてはまるものを教えてください」の、
結婚披露宴では慣習(衣装、儀式など)は重要である
「結婚披露宴では慣習(衣装、儀式など)は重要であると思う」人:15.4%|博報堂生活総研「生活定点」調査
という質問項目(2014年調査から新設)だ。どこがおもしろかったかというと、「若い女性(世代)が年配世代より、慣習大事!と思っている」ということがおもしろかった。
ちょっと詳しくみてみよう。
「はい」と答えた人はみての通り、全体で15.4%。ふーん、こんなもんか。
生活定点調査は各質問項目に対する回答を、
- 「性別」
- 「年代別(男性)」
- 「年代別(女性)」
- 「地域別」
でそれぞれみることができる。
さて、本質問項目は性別や年代別でどのような結果となっているのか。私は、みるまえに以下のような予想をしていた。
- 男性よりも女性のほうが「慣習やしきたりは大事!」と思っている
結婚式などは男性より女性のほうが、往々にして積極的でマジメだと周りを見ていても感じる
- 若い世代より、年配の世代のほうが「慣習やしきたりは大事!」と思っている
若い人は「慣習に縛られず私たちらしい結婚式を!」とか思っていそう。慣習などにうるさいのは年配の世代だろう。
いざ、結果を見てみよう。
性別
男性14.5%、女性16.4%だ。女性のほうがちょっと高いが、まあたいした差はないな。この差が有意かどうかは怪しいし。
年代別(男性)
30代が16.1%、40代が12.5%・・・?よく分からないけど、若い世代より年配世代が慣習大事!という解答をしているわけではなさそうだ。
年代別(女性)
20代27.2%、30代20.2%、40代12.0%、50代12.4%、60代12.5%・・・?!
若い世代よりも年配世代のほうが・・・じゃない。むしろ逆だ。40代以降は大して差がないが、20代30代で「慣習が大事」と思っている人の割合が高い。そのほかの年代と比べても相当高い*1。
「若い人は慣習に縛られず、年配世代のほうが慣習を気にする」という私の予想(思い込み)はあっさりと裏切られた。
この若い世代と年配世代の差が、確かなものだとしたら、この差を生むものは何なのだろう。この世代間の意識の差はなにによってもたらされているのだろう。
いろいろ考えたがよくわからなかった。
年配世代が結婚をした当時は、婚姻の慣習は大事にされつつも結婚披露宴のお作法については慣習というよりも「パターン」として消費されるだけのものだったのではないか、とか。『冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)』にあったように1990年代前半に『ゼクシィ』が創刊され、新郎新婦が結婚式内容をチョイスする時代になったことで「ちゃんとした結婚式」をあげたい人の割合が増えてきたのかな、とか。でも40代も『ゼクシィ』のもたらした変化を感じているんじゃないかなあ・・・それに今は結婚する人の割合も減っているらしいなあ、とか。あぁそうすると若い世代のなかでは結婚に関心があまりない人たち、と結婚式大事にしたい!人たちの二極化が進んでいるのかなあとか。
うーん、わからない。わからないけど、おもしろい結果だなあと。
よさげな仮説がありましたら、是非ご教示下さい!
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*1:調査の中身自体が見えないのでここから「そのほかの年代と比べても相当高い」と結論づけることはできないけど