仕事休んで気胸手術に行ってきた ―自然気胸入院記録その③:入院二日目~三日目朝
【はじめに】本エントリは私の個人的な入院・手術の記録です。当然ながら症状、病院の対応は一人一人異なることになると思います。体の調子が悪かったら本エントリ(や他ブログ)の内容をもとに判断するのではなく、専門医の判断を仰いでください。また治療についてもご自身が納得した上でその医療機関の方針に従ってください。
気胸入院記録シリーズ、仕事休んで気胸手術に行ってきた ―自然気胸入院記録その②:入院一日目の続き。
入院二日目~三日目朝:手術当日
いよいよ手術当日となった。
7:00すぎ、食事の時間となる。
昨晩の21時以降絶食だから食べないで水のみ。昨晩の夕食はしっかり摂っているわけで、空腹はたいして辛くはないのだが、まわりや隣からかちゃかちゃ食器の音と匂いがすると「食べたい…」とちょっと思う。
このころは特に緊張もせず、本を読んで過ごした。読書がはかどる。
昨晩に飲んだ下剤があまり効いている気はしなかったが、何回かトイレに行く。
10:00には点滴のための管?針?を腕にいれる。この時点ではまだ点滴を実際にするのではなく、必要になった際に点滴をすぐ行うために、針だけ入れておくのだそうだ。
針は結構苦手なので点滴嫌だなーと思っていた。痛いわけじゃないけど、これがずっと入ったままかと思うと不快感…(でも結局すぐに慣れた)。
11:00、この時点で点滴が実際に始まった。おそらく水分だと思う。これ以降動くときは↓のような点滴器具?を引きずって動く必要があるので、自由に動き回ることができなくなってちょっと残念。
手術は昼過ぎと聞いていたので、ちょっとそわそわしはじめる。だが、いっこうにお呼びがかからない。結局14:00すぎに、手術着に着替えて準備してくださいと指示が出る。
いざ手術へ
15:00に手術室にはいる。
おおー手術室!となる。せっかくの体験なのできょろきょろしてみる。よくドラマとかで見る手術室である!イメージ通りだ!
興奮もつかの間、麻酔科のドクター?看護師?らしきひと3人が現れる。
さっそく手術台に載せられ点滴なり、血栓防止のソックスなりをつけられる。ちゃっちゃかいろいろな機材をつけられて、この時点ではもう余計なことを考える余裕もなく、まな板の上の鯛状態だった。
まずは硬膜外麻酔をする。ほそーい管を背中に入れてそこから麻酔薬を入れるのだが、まずはその管を入れるための痛み止めを打つ。これは大して痛くない。最初にチクッとしただけだった。そしてその痛み止めが効いているのか、管を入れるのもまったく痛くない。ちょっとぐいぐい強く押される感じがするだけだった。
やってくれたドクターには「痛かったら痛み止め追加するんで言ってくださいね」といわれたが、全然痛くなかった。ここらへんは個人差があるのだろうか。
その後マスクが着いて、あー薬品のにおいだーこれ麻酔のガスかなーと思ったら次の瞬間眠った。眠ったというか、無意識の世界に引きずりこまれるような、そんな感覚だった。麻酔に関しては、大して不快感は感じなかった。
手術終了後
さて、次起きた時はもう手術終了後だった。
無意識の世界から戻ってくるとまず、喉に猛烈な違和感・異物感がある。
「おえー!!!なんだこりゃー!!」(ただし目は開かない)
と思ったら呼吸器がまだ入っていたようだ(全身麻酔は自発呼吸も止まるため、麻酔がかかっている間は人工呼吸器が挿管されている)。その瞬間呼吸器は抜かれた。
ドクターと母親の話す声が遠くに聞こえる。ただ「ああ母親が話している・・・」以上に意識が明瞭になるわけではなく、ドクターや母親の呼びかけに「うんうん」と何回かうなずいたものの(ただし目は開かない)、そのままもう一度眠った。
手術後の苦しみ(今回の入院で最大の苦しみ)
ここからが問題だった。
手術修了はおそらく午後4時頃だったと思うが、その後麻酔がよく効いて眠ってしまった。
結果、夜一回おきることになる。おそらく午後8時頃だったのではないか。
とりあえず呼吸が苦しい!!
巡回に来た看護師さんに「苦しいっす・・・」と助けを求めるも、「深呼吸でがんばれ!」といわれる。鼻から吸って口をすぼめて吐くんだ!と言われるも、胸が痛くてまったく空気が入ってこない。
結局、細々と
した呼吸を繰り返すことになる。
このときは胸の痛み、部屋の暑さ+発熱(38度ちかくあったようだ)、管(ドレーン、尿管、酸素マスク、酸素濃度系、血圧計、足のマッサージ器)のストレスでまったく眠れなかった。麻酔はすっかりさめて意識はかなり明瞭になったものの、体の自由が全くきかない。寝返りも満足に打てず、呼吸は苦しい、酸素マスクは暑い・・・となって発狂しそうになる。
冗談ではなく、このままでは自分は体中の管をベリベリはがして叫びだしてしまうのではないか・・・と思った。
※ちなみに「ドレーン」は以前のエントリでも載せたけど↓こんな感じ。胸の側面、脇の下15㎝くらい?に管がはいっていて、その管はこの機器につながれている。胸腔内の空気や体液を排出するためのものらしい。
なんとか朝まで耐えようと考え、耐えて耐えて耐え抜いて、「今何時ですか」と巡回の看護師さんに聞いたら、「夜の12時」といわれ絶望する(もう朝の5時くらいだろうと思っていた)。
これで気持ちが切れたのか、このあと辛くて何回もナースコールを押した。このとき丁寧に対応してくれた看護師さんは神様に見えた。
まず暑くて苦しかったので氷枕をもらう。また尿管がついてはいたが、尿がうまく排出されていない感覚が強かったのでなんども管をいじってもらった。尿管に関してはついているときは違和感があるが、痛みはないし、想像していたよりも不快ではなかった。
看護師さんが私の不安や苦痛を聞いてくれていろいろと対応してくれた。しかし一向につらさは解消されない。そこで硬膜外麻酔の一括注入(一回押すと本来1時間ではいるはずの麻酔薬が注入されるらしい)をしてもらった。
でも全然効かないの硬膜外麻酔 (´・ω・`)
硬膜外麻酔の一括注入をしてもナースコールを押す私がウザくなったのか、看護師さんは安定剤?麻酔薬?の筋肉注射をしてくれた。
実は痛み止めの筋肉注射があることはなんとなくわかっていて、でもなんか自分から打ってくださいというのもためらわれて(今考えればさっさと要求すればよかった)、ナースコールを押しまくって苦痛を訴えることで、間接的に痛み止めを要求していた。なんてウザイ患者だ。本当にすみませんでした。
「筋肉注射痛いですよー」といわれるものの、全然痛くない!!!術後の痛みや眠れないよりはまし!!!(後で聞いたら、この注射はかなり強いものだそう。依存しちゃうので基本的には手術後のみのものらしい)。
するとこの注射が効いたのと「安定剤を打ってもらえた・・・」という安心感でその後3時間くらい寝ることができた。
明け方に再び目が覚め(今度こそ5時くらいだったはず)、再び尿がうまくながれないので看護師さんにまたも何度か助けてもらう。
そして朝になった
我慢して我慢してなんとか朝になる。6時ごろ尿管を抜いてもらった。
尿管を抜くのが痛いと聞いていたので結構びびっていたのだが、痛いというよりは、一瞬だけひりっ!としてヌルッと抜ける感じだった。一瞬のことで、そんなに痛いものではなかった。
またこの時に酸素マスク、酸素濃度系、血圧計、足のマッサージ器もはずれてかなり身軽になる。まだ病室は薄暗かったけど、心情的にはかなり明るくなった。
看護師さんからは「今後トイレ行きたくなったりして、立ち上がるときはナースコール押してくださいねー」と言われる。
その後すこしして、立ち上がる口実がほしいために(大して行きたくはなかったものの)「トイレに行きたい」とナースコール。やっとたちあがれた!!!
さすがにずっと寝ていたのでよろよろとしか歩けない。看護師さんに支えてもらいながらトイレにたどり着く。
このあと、ドレーンの管が入っていることによってかなり痛みを感じるのだけれど、この時点ではそんなに痛みはなかった。まだ痛み止めが効いていたのかな?と思っている。
尿管を抜くこと自体は大して痛くなかったが、抜いたあとの排尿はちょっとしみる。我慢できないほどではないけど、ちょっと顔をしかめながら、ちょろ・・・ちょろ・・・とおそるおそる排尿する必要があった。
その後7時過ぎに朝のドクター回診により、咳をしても空気が漏れていないことを確認。順調なら明日は管を抜くとのこと。楽しみだ!
「入院三日目朝~」につづく。